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血管を柔らかくする食べ物とサプリメントで血管年齢を下げる方法

血管を柔らかくする食べ物とサプリメントで血管年齢を下げる方法

気付かないうちに進行する「動脈硬化」

血管が弾力性を失って硬くなる「動脈硬化」は、様々な病気の発症リスクが上昇する大きな要因です。

動脈硬化の恐ろしいところは、目立った自覚症状がないこと。

そのため、脳梗塞や心筋梗塞といった重篤な事態に陥ってから、初めて動脈硬化が進んでいることに気付くケースが少なくありません。

そんな動脈硬化の別名は「サイレントキラー」。

知らないうちに健康を蝕む、まさに“沈黙の殺人者”です。

動脈硬化の別名はサイレントキラー

それほど危険な動脈硬化ですが、日頃の食生活や生活習慣で発症リスクを低減できます。

動脈硬化予防に効果的な成分として知られているのが、イワシなどの青魚に含まれるオメガ3脂肪酸という必須脂肪酸の一つ、DHA(ドコサヘキサエン酸)。

また、同じくオメガ3脂肪酸のEPA・DPAにも、DHAとは異なるアプローチで血管を柔らかくする働きがあることが分かっています。

この記事では、DHA・EPA・DPAが血管を柔らかくする理由や効果的な摂取方法などについて、詳しく紹介します。

血管が硬い人の健康リスクは?血管年齢を下げるべき理由とは

そもそも、血管が硬いとなぜ病気になるのでしょうか?

まずは、血管が硬くなることで引き起こされる症状や疾患について解説します。

血管が硬い人の健康リスク

高血圧

血管が硬くなると、血流の抵抗が増してスムーズに流れなくなります。

すると、全身に血液を送り出す際に心臓が強い力をかけるため、血圧が上昇傾向に。

高血圧は、脳卒中や心筋梗塞の主要な原因となります。

動脈硬化の進行

弾力性が失われて硬くなった血管内は、プラーク(脂質やカルシウムの沈着物)が蓄積しやすい状態です。

プラークの蓄積ともに動脈硬化が進行し、血管の内側が厚くなって血流が悪くなります。

脳卒中や心筋梗塞

硬くなった血管は弾力性がなく、破れやすい状態です。

もろくなった血管が脳内で破れた場合、脳出血となります。

また、血管が詰まると脳梗塞や心筋梗塞などの深刻な事態を招くリスクが上昇します。

血流減少による臓器機能の低下

血管の硬化によって血流が悪くなると、心臓や腎臓などの臓器に十分な酸素や栄養が届きにくくなります。

酸素不足が続くと臓器の機能が低下し、慢性疾患を引き起こす原因となります。

足の冷えやしびれ

血管の柔軟性がない状態では手足の先にまで血液が巡らなくなり、冷えやしびれといった症状を感じやすくなります。

特に糖尿病の人は血行不良の影響を受けやすく、神経障害につながることが少なくありません。

認知症

血管の硬化は、脳への血流量にも影響を与えます。

脳へ送られる血液量が低下すると、認知症のリスクが上昇。

動脈硬化は、脳血管性認知症の大きな原因であることが指摘されています。

血管が硬くなる原因は?血管が硬くなりやすい人の特徴

健康的な血管は弾力性があり、しなやかです。

しかし様々な要因によって血管は硬く、もろくなります。

血管が硬くなる主な原因として考えられるのが、以下の要因です。

当てはまる項目がある人は、血管が硬くなっているかもしれません。

血管が硬くなりやすい人の特徴

偏った食事をしている

加工食品や高脂肪・高糖質の食品を多く摂ると、動脈硬化の危険性が上昇します。

運動不足

日常的に運動をしないと血流が悪くなり、血管の健康が損なわれます。

喫煙習慣がある

タバコの有害物質によって血管が傷つくだけでなく、ニコチンが血管を収縮させて柔軟性を失わせます。

脂質異常症

コレステロールが血管に蓄積し、動脈硬化が促進されます。

高齢者

血管の弾力は、加齢とともに低下します。

糖尿病

食事に含まれる糖質によって血糖値が短時間で急上昇と急下降する「血糖値スパイク」が起こり、血管が傷ついて硬化しやすくなります。

ストレスをためやすい

慢性的なストレスは、心身を興奮・緊張状態にする交感神経を刺激し、血圧を上昇させます。

DHAを摂ると血管が柔らかくなるのはなぜ?科学的根拠とメカニズム

血管を柔らかくする成分として知られるオメガ3脂肪酸の一つ、DHA(ドコサヘキサエン酸)。

DHAは血管を構成している「細胞そのもの」に働きかけ、血管をしなやかにする特性を持っています。

なぜDHAを摂ると血管が柔らかくなるのか、そのメカニズムを解説します。

DHAは細胞膜に入り込み、血管を「物理的」に柔らかくする

人間の血管の内側は「血管内皮細胞」という細胞で覆われています。

DHAはこの細胞の一つひとつを包む「細胞膜」に入り込む性質があります。

DHA自体が非常に柔らかくしなやかな構造をしているため、細胞膜にDHAが多く取り込まれると、細胞膜全体の流動性が高まります[1]。

DHAは細胞膜に入り込み、血管を物理的に柔らかくする

つまり、血管を構成する細胞そのものが物理的に柔らかくなることで、血管全体もしなやかさを取り戻すのです。

DHAが血管を広げるスイッチ「一酸化窒素(NO)」を活性化

血管が硬くなる(動脈硬化)大きな要因の一つは、血管が収縮して血圧が高まり、常に壁に強い圧力がかかり続けることです。

DHAを摂取すると、血管の内側にある「内皮細胞」の働きが改善され、血管を拡張させる物質である「一酸化窒素(NO)」の産生が促されることが分かっています[2]。

この一酸化窒素には、ギュッと縮こまった血管の筋肉を緩め、血管を自然に広げるという作用があります。

血管を「広げる」スイッチを入れる、DHAによる動脈硬化抑制の仕組み

DHAによってこの機能が活性化されることで、血圧の変動にしなやかに対応できる、柔軟な血管環境が保たれます。

DHAの摂取量と動脈硬化予防の関係

近年の研究では、DHAを多く含む青魚を摂取することで、心血管疾患のリスクが低下することが示されています。

魚食に関して実施された大規模な日本の疫学調査では、17年間に及ぶ追跡調査の結果、魚食によって脳血管疾患や心臓病、高血圧症などほとんどの成人病に対して予防効果が期待できることや、死亡リスクが低下することが示唆されました[3]。

また、アメリカ心臓協会(AHA)は、1週間に6~8オンス(約170g~230g)の魚(特に脂質が多いサバやイワシなど)を食べるように推奨しています。

1週間あたりの魚の推奨摂取量

血液をサラサラにして血管を守る、「血管の掃除屋」EPAの働き

血管を構成している細胞に働きかけるDHAに対し、EPA(エイコサペンタエン酸)は主に血液や血管壁に働きかけることから、別名「血管の掃除屋」とも呼ばれています。

EPAが血管を柔らかく保つメカニズムは、大きく分けて2つあります。

血小板の凝集を抑える働き

EPAには血液中の血小板が必要以上に固まるのを防ぎ、血液がドロドロになるのを抑制する働きがあります。

これにより血流がスムーズになり、血管の内壁にかかる圧力(負担)を減らすことで、血管が硬くなるのを防ぎます。

血管の炎症を抑える働き

動脈硬化は、血管の壁が傷つき、そこで炎症が起こることから始まります。

EPAには血管の炎症を鎮める作用があることが分かっており、血管の内側を健やかな状態に保つことで、しなやかさを維持するサポートをします。

血液をサラサラにして血管を守る、「血管の掃除屋」EPAの働き

日本で行われた大規模な臨床試験(JELIS)でも、EPAを摂取することで心血管イベントの発症リスクが有意に低下したことが報告されており、その血管保護作用は医学的にも高く評価されています[4]。

血管ケアの新常識。EPAの10倍のパワーを持つ「DPA」とは?

これまで「血管を柔らかくする=DHA・EPA」というのが常識でした。

しかし、近年の研究で、そのDHA・EPAを凌ぐとも言われる第3の成分「DPA(ドコサペンタエン酸)」が注目されています。

血管が硬くなる主な原因の一つは、血管の内側の壁(内皮細胞)が傷つき、修復が追いつかなくなることです。

この血管内皮細胞が傷ついた場所に移動して修復する力を「遊走能」と言いますが、DPAはこの遊走能において、EPAの10倍以上の効果を示したという研究データがあります[5]。

血管ケアの新常識。EPAの10倍のパワーを持つ「DPA」とは?

つまり、血管のしなやかさを保つためには、DHAやEPAだけでなく、この「DPA」も重要なポイントになるのです。

血管が柔らかくなるとどんなメリットがある?健康への効果

血管が柔らかいと、たくさんのメリットがあります。

血管が柔らかいことによるメリット

血流がスムーズになり、全身の健康が向上

柔軟な血管はしなやかに拡張・収縮できるため、血液がスムーズに流れて全身の細胞に酸素や栄養が行き渡りやすくなります。

これにより、臓器や筋肉の働きが活性化し、体全体の健康が向上します。

高血圧の予防・改善

血管が硬いと血流が悪くなり、血圧が上昇しやすくなります。

一方、血管が柔らかいと血流の抵抗が少なくなるため、血圧が安定して高血圧のリスクが低減します。

動脈硬化や心血管疾患のリスクを低下

血管が硬くなると動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高まります。

柔軟な血管を維持することで、これらの深刻な病気の予防につながります。

脳の健康維持・認知症リスクの低減

血管の柔軟性が保たれることで、脳への血流もスムーズに。

脳に十分な量の血液が送られる影響によって脳の機能が活性化し、記憶力や集中力が向上するほか、認知症のリスク低減にもつながります。

冷えやむくみの改善

血管がしなやかになると、手足の末端にある毛細血管まで温かい血液がスムーズに届くようになります。

これにより、辛い冷え性の緩和や、老廃物の滞留によるむくみの解消が期待できます。

肌の老化を防ぎ、美肌をキープ

血流が良くなると肌に十分な栄養や酸素が供給され、新陳代謝が促進されます。

新陳代謝が活発に行われることで肌のくすみやシワの予防につながり、健康的な美肌を維持しやすくなります。

疲労回復が早くなる

血管がしなやかで血流が良いと、老廃物がスムーズに排出されます。

そのため疲労回復が早まり、日々の活力が高まるでしょう。

血管を柔らかくする食べ物|毎日の食事で若々しい血管を

血管年齢を下げるために意識したいのが、血液を健康的な状態に保つ栄養分が含まれた食材を積極的に摂ることです。

DHAをはじめとしたオメガ3脂肪酸は体内では生成できません。そのため、食事からの摂取が必要です。

オメガ3脂肪酸が豊富な食材を使ったメニューを食べるようにしましょう。

血管の若返りが期待できる食品

青魚(イワシ、サバ、サンマ、アジ)

イワシやサバなどの青魚は、最も効率的にオメガ3脂肪酸を摂取できる食べ物です。

効率的摂取する調理法は、刺身もしくは水煮の缶詰です。

揚げると熱によりオメガ3の大半が失われるため、注意しましょう。

オメガ3の吸収を高める食材(オリーブオイル、ビタミンCを含む野菜)と組み合わせるのもおすすめです。

ナッツ類

クルミなどのナッツ類には、オメガ3脂肪酸の一つであるα-リノレン酸が含まれています。

ある研究では、1週間に4食分(28.4g)のナッツ(クルミ、アーモンド、ヘーゼルナッツ、ピスタチオなど)を摂取すると、虚血性心疾患リスクが約20%低いことが報告されました。

また、ナッツはマグネシウムが豊富な食品でもあり、抗不整脈効果がある可能性が考えられています[6]。

海藻類

海藻類には、心血管疾患予防に効果的なミネラルやビタミン、水溶性食物繊維が含まれています。

海藻摂取の頻度と虚血性心疾患の発症リスクの関係について、日本人男女(40歳~69歳)を対象に追跡調査を実施しました。

その結果、海藻をほぼ毎日摂取するグループの女性は、ほぼ摂取しないグループの女性に比べて虚血性心疾患の発症リスクが低いことが明らかになっています [7]。

DHA・EPA・DPAサプリで血管年齢を下げて、健康な未来を手に入れましょう

しなやかで健康な血管は、あなたの未来の健康を左右します。

血圧を測る習慣をつけて、年に1度は血液検査で血管の状態をチェックすることが重要です。

そして適度な運動やストレス管理、禁煙といった生活習慣の改善を心がけましょう。

また、血管を柔らかくして血管年齢を下げるには、DHA・EPA・DPAを積極的に摂取することが不可欠です。

食事に積極的に青魚を取り入れ、オメガ3脂肪酸サプリメントを活用することで、血管年齢を若々しく保てる可能性が期待できます。

血管を柔らかくするためにはDHAを積極的に摂取することが不可欠です

「血管を柔らかくして、いつまでも元気に過ごしたい」その願いのために、今日からオメガ3を暮らしの中に取り入れてみませんか。

その油、酸化していませんか?逆効果にならないオメガ3サプリの選び方

血管のためにオメガ3脂肪酸を摂る際、避けなければならないのが「酸化」です。

どんなにDHAやEPAが豊富でも、熱や空気によって酸化してしまった油は「過酸化脂質」となり、逆に体内で活性酸素を増やし、血管にダメージを与える原因になりかねません。

特に、「血管を柔らかくしたい」と願う方は、油の質や鮮度に人一倍こだわる必要があります。サプリメントを選ぶ際は、以下の条件を満たしたものを選びましょう。

  1. 低温抽出であること: 高温で煮沸・蒸留された油は、製造過程で酸化しているリスクがあります。
  2. DPAが含まれていること: 血管修復のサポート役として不可欠なDPAは、一般的な精製魚油で失われやすい成分です。強力な科学的精製を行わず、天然のDPAが含まれているサプリメントを選びましょう。

[1]:Hashimoto, Michio, et al. "Effects of eicosapentaenoic acid and docosahexaenoic acid on plasma membrane fluidity of aortic endothelial cells." Lipids 34.12 (1999): 1297-1304.

[2]:Yamagata, Kazuo. "Docosahexaenoic acid regulates vascular endothelial cell function and prevents cardiovascular disease." Lipids in health and disease 16.1 (2017): 118.

[3]:矢澤一良. "EPAとDHA――最近の話題." 脂質栄養学 3.1 (1994): 45-48.

[4]:Yokoyama, Mitsuhiro, et al. "Effects of eicosapentaenoic acid on major coronary events in hypercholesterolaemic patients (JELIS): a randomised open-label, blinded endpoint analysis." The lancet 369.9567 (2007): 1090-1098.

[5]:Kanayasu-Toyoda, Toshie, Ikuo Morita, and Sei-itsu Murota. "Docosapentaenoic acid (22: 5, n-3), an elongation metabolite of eicosapentaenoic acid (20: 5, n-3), is a potent stimulator of endothelial cell migration on pretreatment in vitro." Prostaglandins, leukotrienes and essential fatty acids 54.5 (1996): 319-325.

[6]:Afshin A, Micha R, Khatibzadeh S, Mozaffarian D. Consumption of nuts and legumes and risk of incident ischemic heart disease, stroke, and diabetes: a systematic review and meta-analysis. Am J Clin Nutr. 2014 Jul;100(1):278-88.

[7]:Murai U, Yamagishi K, Sata M, Kokubo Y, Saito I, Yatsuya H, Ishihara J, Inoue M, Sawada N, Iso H, Tsugane S; JPHC Study Group. Seaweed intake and risk of cardiovascular disease: the Japan Public Health Center-based Prospective (JPHC) Study. Am J Clin Nutr. 2019 Dec 1;110(6):1449-1455. doi: 10.1093/ajcn/nqz231. PMID: 31518387.

まとめ

  • 血管が硬いと、高血圧、動脈硬化の進行、脳卒中や心筋梗塞、臓器機能の低下、足の冷えやしびれ、認知症などの健康リスクにつながる
  • 血管が硬くなる原因として、偏った食事や運動不足、ストレスなどがある
  • DHAは細胞膜に入り込み細胞膜全体の流動性を高める、また血管を広げるスイッチ「一酸化窒素(NO)」を活性化する働きによって血管を柔らかくする。
  • EPAの血流をスムーズにする、血管の炎症を鎮めるといった作用も血管のしなやかさの維持をサポートする
  • DPAには血管の内側の壁を修復する「遊走能」において、EPAの10倍以上の効果を示したという研究データがある
  • 血管が柔らかくなると血流がスムーズになり、高血圧の予防・改善、動脈硬化や心血管疾患のリスク低下、脳の健康維持・認知症リスクの低減といったメリットがある
  • 血管を柔らかくして血管年齢を下げるには、DHAが豊富に含まれる青魚、ナッツ類、海藻類やサプリメントを摂ることがおすすめ

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食品保健指導士・管理栄養士 古本 楓

この記事の執筆者

グリーンハウス株式会社

食品保健指導士・管理栄養士

古本 楓

食品保健指導士・管理栄養士としての知識を交えながら、青魚の健康効果やオメガ3脂肪酸・DHA・EPA・DPAについての情報をお届けいたします。

【資格】
公益財団法人 日本健康・栄養食品協会
 食品保健指導士
管理栄養士