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中性脂肪・脂肪肝にオメガ3サプリの効果はある?EPA×DPAの根拠

中性脂肪・脂肪肝にオメガ3サプリの効果はある?EPA×DPAの根拠

この記事のポイント

  • 中性脂肪と脂肪肝(MASLD)に効果あり:複数のメタアナリシスで、オメガ3が肝臓の脂肪量を有意に減少させる結果が報告されています。
  • EPAサプリなのに数値が変わらない理由:EPAを飲み続けても効果が出ない場合、見落としがちな別の原因がある可能性があります。
  • EPA×DPAの二重ブロックと製法の鮮度:脂肪の合成を「指令段階」と「実働段階」で止める成分の組み合わせと低温抽出がカギです。

中性脂肪とは?高いとどうなる?

中性脂肪(トリグリセリド)は、食べ物から摂取したり肝臓で合成された脂肪が血液中に溶け込み全身に送られる、「血中脂質」の一つです。

中性脂肪は体内でエネルギー源として使われる重要な脂質ですが、血中濃度が過剰になるとさまざまな生活習慣病のリスク因子となります。

特に注目すべきは「空腹時中性脂肪値」。

この数値が150mg/dLを超えると、「高中性脂肪血症」とされ、以下のような生活習慣病のリスクが上昇する危険性があります。

中性脂肪が高いと発症リスクが上がる主な疾患
動脈硬化
脂肪肝(非アルコール性脂肪性肝疾患)
高血圧
糖尿病
心筋梗塞
脳梗塞
中性脂肪が高いと発症リスクが上がる主な疾患

中性脂肪は基準値を超えても、すぐには自覚症状が出ません。

そのため、気付かないうちにリスクが上昇している可能性が少なくないのです。

40代以降は「中性脂肪が増えやすい体質」になりやすい

中性脂肪の蓄積は年齢とも密接に関係しています。

特に40代以降になると、

  • 基礎代謝の低下
  • 加齢に伴って筋肉量が減る"サルコペニア"
  • 運動不足
  • 内臓脂肪の増加(特に男性)

などの要因が重なりやすく、脂質代謝のバランスが崩れやすくなります。

また、中性脂肪の上昇には自覚症状がほとんどないため、「健康診断で数値を指摘されてはじめて気づく」という人も少なくありません。

放置すれば、脂肪肝やメタボリックシンドロームの進行につながる可能性もあります。

中性脂肪が引き起こす脂肪肝「MASLD」

「お酒は飲まないから肝臓は大丈夫」と思っていませんか?

実は近年、お酒を飲まない人の間で中性脂肪の蓄積が原因となる脂肪肝が増加しており、世界的な名称の変更も行われました。

これまで「非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)」と呼ばれていた脂肪肝が、2023年より「代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(MASLD:マッスルディー)」という新しい名称に変更されたのです。

これは、「お酒を飲まない」という側面ではなく「中性脂肪や血糖値が高いなどの『代謝異常』が原因である」という実態を、より正確に表す目的があるとされています。

中性脂肪の蓄積が引き起こす脂肪肝「MASLD」

血液中の中性脂肪値が高いということは、在庫保管場所である「肝臓」がすでに脂肪でパンパンになっている(フォアグラ状態)可能性が極めて高いことを意味します。

この「MASLD」を放置すると、肝臓で炎症が起き、やがて肝硬変や肝がんへと進行するリスクがあります。

中性脂肪対策は、異常があっても自覚症状が現れにくいことから「沈黙の臓器」と呼ばれる、肝臓を守るための待ったなしの課題なのです。

実は「コレステロール」も肝臓を攻撃する?中性脂肪との危険なコンビ

「中性脂肪は高いけど、コレステロールは薬を飲むほどじゃないから…」と油断していませんか?

実は、脂肪肝(MASLD)において、中性脂肪と同じくらい、あるいはそれ以上に警戒すべきなのが「コレステロール」です。

肝臓に溜まるのは中性脂肪だけではありません。

中性脂肪が増え代謝機能が落ちた肝臓には、余分なコレステロールも蓄積しやすくなります。

コレステロールも脂肪肝「MASLD」を進行させる

問題なのは、肝臓内に溜まった「遊離コレステロール」には強い細胞毒性があるという点です。

これが肝臓の細胞障害を引き起こし、単なる脂肪肝(脂肪が溜まっているだけの状態)から、炎症を伴う「脂肪肝炎(MASH:代謝機能障害関連脂肪性肝炎)」へと進行させる主要な原因の一つと考えられています。

つまり、中性脂肪を減らすことは、この「毒性の高いコレステロール」が肝臓に溜まるのを防ぐことにもつながるのです。

オメガ3サプリで中性脂肪・脂肪肝は本当に改善するのか?

「オメガ3サプリを飲んで、本当に中性脂肪や脂肪肝に変化があるのか?」

サプリメントを検討する多くの方が感じるこの疑問に、研究データをもとにお答えします。

オメガ3は「肝臓の脂肪」を燃焼モードに変える

イワシ・サバ・サンマ・アジといった青魚に豊富に含まれるオメガ3脂肪酸(DHA・EPA)には、血液中の中性脂肪を減らすだけでなく、「肝臓に溜まった脂肪そのもの」を減らす働きがあることが、多くの研究で示されています。

オメガ3を摂取すると、肝臓内での中性脂肪の合成(脂肪を作るスイッチ)が抑制されると同時に、脂肪酸の酸化(脂肪を燃やすスイッチ)が活性化されます。

つまり、オメガ3は肝臓を「脂肪を溜め込む代謝異常モード」から「エネルギーとして消費する正常モード」へと切り替えるサポートをしてくれるのです。

複数の研究が示す、オメガ3の脂肪肝へのアプローチ

実際に、非アルコール性脂肪肝の患者を対象としたメタアナリシス(複数の研究を統合した解析)においても、オメガ3脂肪酸の摂取が肝臓の脂肪量を有意に減少させたという結果が報告されています[1]。

非アルコール性脂肪肝へのオメガ3サプリメントの効果を調査した別の研究では、摂取により肝臓脂肪・総コレステロール・BMIの値が改善したという論文も発表されています[2]。

さらに別の研究でも、イワシの魚油から抽出したDHA・EPAを投与する実験において、脂肪肝への対処効果が得られたという結果が報告されました[3]。

オメガ3脂肪酸の脂肪肝に対する改善効果

オメガ3は「脂質のバランス」を整えて肝臓をサポートする

オメガ3には、中性脂肪を下げるだけでなく、肝臓でのコレステロール合成を調節し、胆汁酸としての排泄を促す働きがあることが報告されています。

実際に、オメガ3脂肪酸の摂取が肝臓内のコレステロールの代謝を制御し、肝障害の進行を食い止める可能性があることが動物実験などで示唆されています[4]。

ただし、これらの研究結果はオメガ3脂肪酸(成分)の作用を示したものであり、すべての製品で同じ効果が保証されるわけではありません。

成分の吸収率や品質は製法によって大きく異なるため、どのオメガ3を選ぶかが重要になります。

オメガ3はコレステロールの代謝を制御し肝障害の進行を食い止める

EPAとは?中性脂肪やコレステロールを下げるオメガ3の代表格

オメガ3脂肪酸の中でも、特に中性脂肪を下げる作用があるとされているのが「EPA(エイコサペンタエン酸)」です。

EPAは血中の中性脂肪を20〜30%、総コレステロールを5〜10%減少させ[5]、血液をサラサラに保つ作用があることで知られています。

EPAは血中の中性脂肪と総コレステロールを減少させる

一方、同じオメガ3系脂肪酸であるDHA(ドコサヘキサエン酸)は、脳や神経の健康維持に関与しています。

EPAとDHAがもたらす作用はそれぞれ異なっており、中性脂肪の低下に関してはEPAの方が有効であるとされています。

ただし、EPAだけを摂取していれば十分かというと、必ずしもそうではありません。

次のセクションで、そのメカニズムから詳しく解説します。

EPAが中性脂肪を下げる作用機序(メカニズム)

日本の研究において、EPAや魚油の摂取により、

  • 脂肪酸のβ酸化が促進され、脂肪が燃焼されやすくなる
  • 中性脂肪の合成に関わる転写因子「SREBP」の量が著しく減少

という結果が報告されています[6]。

SREBP(Sterol Regulatory Element Binding Protein)は、脂肪の合成を促すタンパク質です。

EPAの作用でこの量が減るため、肝臓での中性脂肪の合成そのものが抑制されます。

さらにEPAは、高純度処方の医薬品(イコサペント酸エチルなど)としても使用されており、「中性脂肪が高め」と診断された人への治療に実際に使われている成分です。

EPAの中性脂肪低下に対する効果は、臨床的にも有効と認められています。

では、EPAが抑える「司令塔(SREBP)」以外のルートでも、脂肪の合成はコントロールできるのでしょうか。

次のセクションで、EPAの作用をさらに上回る可能性を持つ成分を解説します。

EPAを上回る?DPAが持つ強力な脂肪合成ブロック力

先ほど、EPAが脂肪の合成に関わる転写因子(SREBP)を減らすことで、中性脂肪を作らせないように働くメカニズムを解説しました。

しかし近年の研究で、第3のオメガ3「DPA(ドコサペンタエン酸)」には、このEPAの働きをさらに上回るような、強力な抑制パワーがある可能性が示されています。

現場の「酵素」を強力にストップ

中性脂肪が作られる最終段階では、「脂肪酸合成酵素(FAS)」という酵素が重要な役割を果たしています。

いわば、脂肪製造工場の「実働部隊」です。

2011年に発表された研究によると、DPAを摂取したグループは、EPAを摂取したグループと比較して、この脂肪酸合成酵素(FAS)の活性レベルをより強く抑制したと報告されています[7]。

つまり、中性脂肪対策においては以下のような「二重のブロック」が期待できるのです。

成分 作用ターゲット 働き
EPA 司令塔(SREBP) 脂肪合成の指令そのものを減らす
DPA 実働部隊(酵素FAS) 脂肪を実際に作る動きをEPA以上に強力に止める
中性脂肪対策にEPAとDPAの二重のブロック

EPAだけでも効果は期待できますが、DPAが加わることで、より強固に中性脂肪の「合成」を防げる可能性があります。

では、EPA×DPAの二重ブロックを実現するには、どのようなサプリを選べばよいのでしょうか。

なぜ一般的なEPAサプリでは不十分なのか

EPA×DPAの二重ブロックが理論上有効であっても、市場に流通している多くの魚油サプリメントではDPAをほとんど期待できません。

その理由は、製造過程にあります。

高温処理がDPAを消してしまう

一般的な魚油サプリメントは、「煮取り法」や「分子蒸留法」といった製造工程で高温の熱が加えられます。

DPAは熱に非常に弱い成分であるため、こうした高温処理の過程でほぼ消失してしまいます。

その結果、市場に出回るフィッシュオイルサプリの多くは「EPA+DHA」の表示であっても、DPAはほぼ含まれていない、あるいは微量にとどまるケースが少なくありません。

EPAサプリを続けているのに数値がなかなか変わらない方は、DPAが不足している可能性を一度疑ってみてください。

低温抽出で天然のDPAを保持する

「まるごと青魚」は、国産イワシを丸ごと低温抽出することで、熱に弱いDPAを天然のまま含有することに成功しています。

EPAの「司令塔(SREBP)抑制力」と、DPAの「実働部隊(FAS酵素)への強力なブロック力」を同時に確保できるのは、この製法があるからです。

さらに、TG型(トリグリセリド型)での抽出により、EE型(エチルエステル型)と比べて体内への吸収率にも優れています。

肝臓をいたわるなら「酸化していないオメガ3」を

肝臓は、体内の毒素を解毒する臓器でもあります。

もし摂取したオメガ3サプリメントが「酸化」していた場合、肝臓はその酸化物質の処理に追われ、かえって負担がかかってしまいます。

脂肪肝が気になる方がオメガ3を取り入れるなら、肝臓に余計な仕事をさせないよう、「酸化を防ぐ製法」にこだわった新鮮なオメガ3サプリメントを選ぶことが、肝臓への一番の優しさです。

中性脂肪が気になるなら、飲むタイミングにもひと工夫あります。

中性脂肪・脂肪肝ケアには、夜よりも朝にオメガ3を摂取したほうが効果が高いという研究結果があります。

よくある質問

Q1. 食生活や運動に気をつけているのに、なかなか中性脂肪が下がりません。オメガ3サプリを追加することで違いはありますか?

食事や運動は中性脂肪ケアの土台として重要ですが、それだけでは不十分なケースも少なくありません。EPAは中性脂肪の合成を指示する転写因子(SREBP)を減少させる働きがあり、食事・運動の効果を補完する形で作用します。臨床的にもEPAにより血中中性脂肪が20〜30%低下することが報告されており、特に食事の改善だけでは数値が安定しない場合に、サプリとの組み合わせが有効な選択肢となります。まずは食事・運動を継続しながら、3〜4ヵ月を目安にオメガ3サプリの効果を確認してみてください。

Q2. 抗凝固薬や血液サラサラの薬を処方されていますが、オメガ3サプリを一緒に飲んでも大丈夫ですか?

食品として摂取する範囲では、一般的に問題ありません。ただし、抗凝固薬を服用中の方は血液凝固への作用が重複する可能性があるため、念のため担当医または薬剤師にご確認されることをおすすめします。まるごと青魚は食品に分類されますが、処方薬を服用中の場合は専門家への相談が安心です。

Q3. EPAサプリをしばらく飲み続けていますが、健診の中性脂肪の数値がほとんど変わりません。原因は何でしょうか?

原因のひとつとして「DPA不足」と「製法による成分の劣化」が考えられます。一般的なフィッシュオイルサプリは製造時の高温処理でDPAがほぼ失われており、EPAのみでの作用に留まっています。DPAは脂肪を実際に作る酵素(FAS)をEPA以上に強力に抑制することが研究で示されており、EPAとDPAを同時に確保することで、より確かな中性脂肪のコントロールが期待できます。また、酸化したオメガ3は肝臓に余分な負担をかけるため、鮮度を保つ低温抽出の製法かどうかも見直すポイントです。

中性脂肪ケアには、EPA単体だけでなく、DPAの含有量と低温抽出による製法の鮮度まで確認することが、サプリ選びの新しい基準になりつつあります。

まとめ

  • 食事改善を土台にしながらオメガ3脂肪酸(EPA・DHA)を補うアプローチが、複数のメタアナリシスで中性脂肪・脂肪肝(MASLD)への有効性が報告されている
  • EPAは脂肪合成の「司令塔(SREBP)」を抑制し、DPAは脂肪を作る「酵素(FAS)」をEPA以上に強力にブロックする二重の作用が期待できる
  • サプリ選びの基準は「DPA含有量」「低温抽出の製法」「TG型の吸収率」の3点で確認する

EPAの確かな実績とDPAの強力なブロック力を、酸化させずに天然のまま摂取できるサプリで、毎日の習慣に取り入れてみてください。

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食品保健指導士・管理栄養士 古本 楓

この記事の執筆者

グリーンハウス株式会社

食品保健指導士・管理栄養士

古本 楓

食品保健指導士・管理栄養士としての知識を交えながら、青魚の健康効果やオメガ3脂肪酸・DHA・EPA・DPAについての情報をお届けいたします。

【資格】
公益財団法人 日本健康・栄養食品協会
 食品保健指導士
管理栄養士