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失敗しないオメガ3サプリの選び方|酸化・トランス脂肪酸を防ぐ「低温抽出法」とは

 失敗しないオメガ3サプリの選び方|酸化・トランス脂肪酸を防ぐ「低温抽出法」とは

「健康診断の数値が気になってオメガ3サプリを飲み始めたが、どれも一緒だと思いなんとなく選んでいる」

その選択、実は少し危険かもしれません。 魚の油(DHA・EPA・DPA)は、非常にデリケートで「世界一酸化しやすい油」とも言われています。

もし、選んだサプリメントが製造過程ですでに酸化していたり、有害なトランス脂肪酸が含まれていたりしたら…?

健康になるどころか、知らず知らずのうちに体に負担をかけている可能性があります。

この記事では、パッケージの成分表だけでは分からない「魚油の鮮度」と「抽出方法(製法)」に焦点を当て、本当に体に良い安全なオメガ3サプリの選び方を解説します。

魚油は「生鮮食品」。酸化したオイルは身体の「サビ」になる

オメガ3脂肪酸は、空気(酸素)や熱に触れるとすぐに酸化し、過酸化脂質という物質に変化してしまいます。これは、いわば「油が腐った状態」です。

酸化した魚油を摂取し続けることは、体内で酸化ストレスを引き起こし、炎症や細胞の老化(サビつき)を促進するリスクがあることが、近年の研究で指摘されています[1]。

新鮮な魚油はきれいな黄金色や薄い黄色をしていますが、酸化が進むとドス黒く変色し、古い油特有の悪臭を放ちます。

サプリメントのカプセルに入っていると気付きにくいですが、中身が「新鮮であるか」は、「どれだけ入っているか」以上に重要な問題なのです。

魚油は「生鮮食品」。酸化したオイルは身体の「サビ」になる

「煮取り法」とトランス脂肪酸のリスク

市販のサプリメントの中には、トランス脂肪酸のリスクを抱えたものが存在します。

その原因の多くは、一般的な魚油(フィッシュオイル)の製造方法である「煮取り法(にとりほう)」にあります。

「煮取り法」とは、原料の魚を巨大な釜でグツグツと煮て、浮いてきた油を採取する伝統的な大量生産の手法です。

しかし、この方法で搾った油は不純物が多く、色も濁り魚の腐敗臭に近い強烈な臭いがあります。

そのため、サプリメントとして製品化するには、高温での脱臭や漂白といった「精製工程」が不可欠になります。

ここで問題になるのが、「トランス脂肪酸」です。

本来、自然界の魚にはトランス脂肪酸は存在しません。しかし、精製工程で何度も高熱を加えることで、オメガ3脂肪酸の構造が変化し、人工的にトランス脂肪酸が発生してしまうリスクがあるのです。

「煮取り法」によるトランス脂肪酸のリスク

「健康のために魚油を飲んでいるのに、同時に体に悪い油も飲んでしまっている」。そんな本末転倒な事態が、高温処理された安価なサプリメントでは起こり得るのです。

遠心力による物理的抽出。「まるごと青魚」の低温抽出・遠心分離法とは

「酸化」と「トランス脂肪酸」。この2つのリスクを回避するための手段が、「低温抽出・遠心分離製法」です。

「まるごと青魚」は、一般的な煮取り法による抽出や化学溶剤による後処理を行わず、「水洗い」と「遠心分離」により物理的に天然魚油を抽出しています。

  1. 低温抽出:原料であるイワシを高温加熱することなく、冷凍状態から水中で分別を開始します。熱によるダメージがないため、酸化を防げます。
  2. 遠心分離:物理的な方法で魚油を抽出します。高温精製の必要がないため、トランス脂肪酸が発生しません(検出限界以下)。
  3. 空気に触れさせない:酸化させないよう、空気に触れず魚油のろ過を行っています。
遠心力による物理的抽出。「まるごと青魚」の低温抽出・遠心分離法とは

抽出直後のオイルは、透き通った美しい黄金色。

まるでオリーブオイルの「コールドプレス製法」のように、イワシが持つ栄養を壊さず、そのままギュッと絞り出しています。

これが、天然魚油の鮮度を守るための方法です。

吸収率が違う。「トリグリセリド型」のメリット

体内への「吸収率」に大きく影響するのが、抽出した後の処理です。

高濃度・大量生産を目的として、エチルアルコールにより化学的に濃縮処理を行った魚油は「エチルエステル型(EE型)」と呼ばれます。

これに対し、科学的な濃縮処理を行わない「トリグリセリド型(TG型)」は、魚本来の自然な魚油であり体に馴染みやすい構造です。

著名な比較研究において、この「トリグリセリド型」は、加工された「エチルエステル型」に比べて、体内への吸収率が約1.7倍(あるいはそれ以上)高いという結果が出ています[2]。

オメガ3の1日摂取目標を魚に換算

せっかくのオメガ3も、体に吸収されなければ意味がありません。

また「エチルエステル型」で製造された魚油は、加熱や酸化に弱いというデメリットもあります。

「トリグリセリド型」のメリットは、安全性はもちろんのこと、貴重な成分を無駄なく身体に届けるという点にもあるのです。

【参考資料・出典】

[1]:Albert, Benjamin B., et al. "Oxidation of marine omega‐3 supplements and human health." BioMed research international 2013.1 (2013): 464921.

[2]:Dyerberg, Jørn, et al. "Bioavailability of marine n-3 fatty acid formulations." Prostaglandins, Leukotrienes and Essential Fatty Acids 83.3 (2010): 137-141.

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食品保健指導士・管理栄養士 古本 楓

この記事の執筆者

グリーンハウス株式会社

食品保健指導士・管理栄養士

古本 楓

食品保健指導士・管理栄養士としての知識を交えながら、青魚の健康効果やオメガ3脂肪酸・DHA・EPA・DPAについての情報をお届けいたします。

【資格】
公益財団法人 日本健康・栄養食品協会
 食品保健指導士
管理栄養士